わナンバーは自家用?事業用?法令上の区分と車検・点検で自家用車と違うところ

わナンバーは自家用?事業用?|法令上の区分と車検や点検の違いを確認

わナンバーの車はお金を取って貸すのだから事業用だろう、と考える方は少なくありません。実際の法令上の区分は自家用です。道路運送法は、人や貨物を運ぶ自動車運送事業に使う車を事業用自動車と呼び、車そのものを貸すレンタカーは自家用自動車のまま第80条の許可で有償貸渡しを認めています。ところが車検の期間や定期点検の間隔は、普通の自家用車と同じではありません。この記事では道路運送法、道路運送車両法、自動車登録規則を開いて、わナンバーは自家用?事業用?という疑問に答え、法令上の区分と車検や点検の違いを確認します。

この記事で確認した一次情報

わナンバーの自家用・事業用の区分

わナンバーの車は、法令上は自家用自動車です。道路運送法第2条第8項は事業用自動車を「自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車」と定め、第78条は自家用自動車を「事業用自動車以外の自動車」と定めています。自動車運送事業は旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業で、どちらも人や貨物を運ぶ事業です。レンタカーは車を貸す行為で、運ぶ行為には当たりません。そこで道路運送法は第5章「自家用自動車の使用」の中に第80条を置き、「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない」と定めました。国土交通省の通達も、貸渡自動車の車種を自家用乗用車、自家用マイクロバス、自家用貨物自動車、特種用途自動車、二輪車に区分しています。わナンバーは「許可を受けて有償で貸してよい自家用自動車」の印と考えると整理しやすくなります。

区分法令上の位置づけ代表例
事業用自動車自動車運送事業者がその事業の用に供する自動車(道路運送法第2条第8項)バス、タクシー、運送会社のトラック
自家用自動車(許可に係るもの)第80条第1項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車レンタカー、レンタカー型カーシェアリングの車
自家用自動車(上記以外)事業用自動車以外の自動車(第78条)マイカー、社用車、整備工場が無償で貸す代車

ナンバーの平仮名で見る自家用と事業用とわナンバー

ナンバープレートの平仮名は、自動車登録規則第13条で「自動車運送事業の用に供するかどうかの別等を表示する平仮名又はローマ字」と定められ、文字の割り当ては同規則の別表第三にあります。登録自動車(普通車と小型車)では、自動車運送事業の用に供する自動車が「あ、い、う、え、か、き、く、け、こ、を」、一般の自家用自動車が「さ」から「ろ」までの平仮名、道路運送法施行規則第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車が「れ」と「わ」です。第52条は第80条第1項の許可の申請について定めた条文なので、「れ」と「わ」はレンタカーの許可を受けた車の文字になります。検査対象軽自動車は道路運送車両法施行規則の別表第二の五で決まっていて、文字の割り当てが登録自動車と異なります。とくに「れ」の意味が逆になる点は覚えておくと役に立ちます。

区分登録自動車(別表第三)検査対象軽自動車(別表第二の五)
事業用自動車あ い う え か き く け こ をり れ
自家用自動車(一般)さ す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ ほ ま み む め も や ゆ ら り る ろあ い う え か き く け こ さ す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ ほ ま み む め も や ゆ よ ら る ろ を
許可に係る自家用自動車(わナンバー)れ わわ
関税などが免除された外国籍の方の自家用自動車ほかE H K M T Y よA B

二輪の小型自動車は道路運送車両法施行規則の別表第三で別に定められ、許可に係る自家用自動車は「ろ」と「わ」です。

わナンバーという呼び名の由来や基本はわにゃふるカービジネスの説明ページにあります。個人で持てるかどうかはわナンバーは個人で持てる?の記事で扱っています。

自家用なのに自家用車と扱いが違うところ

わナンバーは自家用自動車ですが、車検の有効期間と定期点検の間隔は一般の自家用乗用車と違います。道路運送車両法第61条第1項は、国土交通省令で定める自家用自動車の車検を1年とし、同法施行規則第37条第1項第3号がその対象に許可を受けて貸し渡す自家用自動車を入れています。同条第2項により、乗車定員10人以下で貨物用でないもの(幼児専用車を除く)は初回だけ2年です。一般の自家用乗用車の初回3年は、同規則第37条第3項が有償で貸し渡す自家用自動車を除いているため適用されません。定期点検は、道路運送車両法第48条第1項第2号で、第80条第1項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車は6か月ごとと定められています。一般の自家用乗用車は1年ごとなので、点検の回数は2倍になります。

項目わナンバーの乗用車(乗車定員10人以下)一般の自家用乗用車根拠
車検(初回)2年3年道路運送車両法第61条第2項、施行規則第37条
車検(2回目以降)1年2年道路運送車両法第61条第1項、施行規則第37条第1項第3号
定期点検6か月ごと1年ごと道路運送車両法第48条第1項
日常点検貸渡期間が2日以上なら借受人が実施(貸渡証に記載)使用者が実施国土交通省通達 別記2
任意保険対人1人8,000万円以上、対物1件200万円以上、搭乗者1人500万円以上法令上の基準なし国土交通省通達 1③、2(4)

軽自動車のわナンバーは、道路運送車両法第61条第1項の1年の対象が「検査対象軽自動車以外のもの」に限られているため、車検は2年です。

車の台数が増えたときの整備管理者

中部運輸局の案内によると、わナンバーの乗用車やトラック(車両総重量8トン未満、乗車定員10人以下)を1つの事務所(使用の本拠)に10両以上置くと、整備管理者の選任と届出、整備管理規程の制定が必要になります。道路運送車両法施行規則第31条の3第4号も、乗車定員10人以下で車両総重量8トン未満の許可に係る自家用自動車について10両としています。車検の期間の詳細はわナンバーの車検期間の記事、保険はわナンバー車の保険の記事で確認できます。

わナンバーで人を運ぶと事業の扱いになる場面

わナンバーは車を貸すための区分で、人を乗せて運ぶ許可は含まれていません。道路運送法第78条は、災害時などの例外を除き、自家用自動車を有償で運送の用に供してはならないと定めています。国土交通省の通達は、許可の条件として、貸渡しに附随した運転者の労務供給(運転者の紹介やあっせんを含む)を行ってはならないとし、その旨を事務所の掲示やウェブサイト、書面で借受人に明示するよう求めています。国土交通省自動車局旅客課長の回答(平成29年4月27日)は、レンタカー車両の引き渡しや返却を代行するだけなら許可の条件に反しないとしつつ、顧客に代わってレンタカーを運転して顧客を運送した場合は、一般旅客自動車運送事業類似行為に当たり、許可が必要になるという見解を示しています。

  • わナンバー車をお客様の自宅まで届け、鍵を渡して戻る:回答の範囲では許可の条件に反しない(道路交通法などの遵守が前提)
  • わナンバー車を貸し、運転手もあわせて手配する:通達が禁じる運転者の労務供給に当たる
  • わナンバー車を自社の従業員が運転し、お客様を有償で送る:一般旅客自動車運送事業類似行為に当たるとされる

法令適用事前確認手続の回答は、照会者が示した事実を前提にした見解で、司法判断を拘束しないと回答書に書かれています。送迎や配車を組み合わせる場合は、事前に運輸支局へ相談してください。

整備工場が配備するわナンバーの区分と始め方

整備工場や鈑金工場が入庫客に貸す車も、有償で貸すならわナンバー、つまり第80条の許可に係る自家用自動車として登録することになります。第80条が許可を求めているのは「業として有償で貸し渡す」場合なので、自家用ナンバーの車をお客様から料金を取って貸せません。許可の取り方は2通りあります。1つは自社で運輸支局に申請し、許可を受けてから車をわナンバーで登録する方法です。もう1つは、許可を持つ事業者の営業所として運用する方法です。わにゃふるカービジネスは後者で、株式会社バンクレンタカーのフランチャイズに加盟し、加盟店は「バンクレンタカー カーネット(地域名)営業所」になります。本部が許可を保有しているので、加盟店側で許可を取得する必要はありません。自社の車をわナンバーにする場合は、いったん車両を販売する形になると案内しています。

比べる点自社で許可を受けるわにゃふるカービジネス
車の区分許可に係る自家用自動車(わナンバー)同じ(本部の許可に係る車として運用)
車検と点検1年車検(初回2年)、6か月点検同じ。配備車両プランは車検点検整備や任意保険、消耗品、修理などを月額に含む
貸す相手許可の範囲で設定自社に入庫したお客様だけ
始めるまで申請の標準処理期間は1か月(新潟運輸支局の手引き)、その後に保険や帳簿、登録最短2か月程度で運用開始

費用は変わることがあるため、この記事には金額を載せていません。最新の料金は価格ページ、導入した工場の声は活用企業様の声で確認できます。自社で許可を受ける場合の詳しい手順は姉妹サイトの解説にまとめています。

わナンバーを自社で始めるなら、わにゃふるカービジネス

自社の入庫客にわナンバーを貸す仕組みを、許可を一から取らずに始められます。1台から始めた事例もあります。お電話は 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00、13:00〜18:00)でも受け付けています。

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まとめ

わナンバーは、道路運送法第80条第1項の許可を受けて有償で貸し渡す自家用自動車の区分で、事業用自動車には当たりません。登録自動車では「れ」と「わ」、検査対象軽自動車では「わ」が割り当てられ、軽の「れ」は事業用です。自家用でも、乗用車の車検は初回2年でその後1年、定期点検は6か月ごとと、一般の自家用車より手間がかかります。人を乗せて運ぶ許可は含まれないため、送迎と組み合わせるときは運輸支局に確認してください。

わナンバーの自家用・事業用に関するよくある質問

わナンバーは自家用ですか、事業用ですか?
自家用です。道路運送法第78条は自家用自動車を「事業用自動車以外の自動車」と定め、第80条は「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない」と定めています。わナンバーはこの許可を受けて貸し渡す自家用自動車に割り当てられる区分です。
お金を取って貸すのに、なぜ事業用にならないのですか?
道路運送法でいう事業用自動車は、自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車です。運送事業は人や貨物を運ぶ事業で、レンタカーは車そのものを貸す行為なので、運送には当たりません。そのため貸渡しの車は自家用自動車のまま、第80条の許可で有償貸渡しが認められる形になっています。
わナンバーの乗用車の車検は何年ごとですか?
道路運送法第80条第1項の許可を受けて有償で貸し渡す自家用乗用車(乗車定員10人以下、貨物用を除く)は、自動車検査証の有効期間が1年で、初回だけ2年です。軽自動車は道路運送車両法第61条第1項の1年の対象から外れているため2年です。
わナンバーの車でお客様を送迎してもよいですか?
わナンバーは車を貸すための区分で、人を運ぶ許可ではありません。道路運送法第78条は、自家用自動車を原則として有償で運送の用に供してはならないと定めています。国土交通省の回答でも、レンタカーを顧客に代わって運転して顧客を運送すれば、一般旅客自動車運送事業類似行為に当たるとされています。
軽自動車の「れ」ナンバーは、わナンバーと同じですか?
同じではありません。道路運送車両法施行規則別表第二の五では、検査対象軽自動車の「り」と「れ」は事業用自動車、「わ」が許可に係る自家用自動車の区分です。登録自動車(普通車と小型車)では、自動車登録規則別表第三により「れ」と「わ」の両方が許可に係る自家用自動車に割り当てられています。
わナンバーの車両や貸出の記録は、整備・販売の管理とまとめて扱えますか?
代車やわナンバー車の入庫・貸出の予定と、整備や販売の記録を別々に管理すると二重入力が増えます。自動車整備システム(自動車整備ソフト)や車両販売システム(車販ソフト)で顧客・車両・スケジュールを一元管理すると、貸出と入庫の段取りを1か所で確認できます。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるかも確かめてください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月5日確認)。

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