
通勤路で毎日同じわナンバーの車を見かける、近所の人がもう何か月もわナンバーに乗っている。そんな様子から「わナンバーにずっと乗っているのはどういう人なのか」と気になって検索する方は少なくありません。わナンバーは、国土交通大臣の許可を受けて有償で貸し渡す自家用自動車の印で、借りている期間の長さを示すものではありません。この記事では、道路運送法第80条と国土交通省のレンタカー通達で確認できる範囲に絞り、わナンバーにずっと乗る車について、長期レンタルや修理中の貸出を公的ルールで確認します。うわさ話や推測は取り上げません。
この記事で確認した一次情報
- 道路運送法(e-Gov法令検索)第80条(有償貸渡し、借受人が使用者である場合の例外)
- 貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて(国土交通省通達、令和4年5月31日改正)レンタカー型カーシェアリングの定義、貸渡簿と貸渡証、重要事項の明示
- 自動車登録規則(e-Gov法令検索)別表第三(わ・れの区分)
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索)第48条(定期点検の間隔)、第61条(車検の有効期間)
わナンバーにずっと乗っている車の主なパターン
わナンバーにずっと乗っている車は、公的資料から説明できる範囲では、長い期間の契約で借りているレンタカー、修理や車検で自分の車を預けている間に借りている車、レンタカー型カーシェアリングの車の3つに整理できます。わナンバーの平仮名は、自動車登録規則別表第三で「道路運送法施行規則第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車」に割り当てられた区分で、許可を受けて貸し渡す車であることを示します。借りる期間の長さは表していません。この記事で確認した道路運送法第80条と国土交通省のレンタカー通達には、貸渡期間の上限を定めた記述がなく、期間は貸渡人と借受人の契約で決まります。同じ人が毎日同じわナンバーに乗っていても、それだけで何か問題があるとは言えません。
| パターン | どんな状態か | 公的資料での位置づけ |
|---|---|---|
| 長期レンタル(マンスリーなど) | レンタカー会社と週や月単位の契約で借り続けている | 第80条の許可を受けた貸渡し。使用者は貸渡人のまま |
| 修理や車検の間の貸出 | 自分の車を整備工場に預けている間、工場などから借りている | 有償なら第80条の許可に係る車での貸渡し |
| レンタカー型カーシェアリング | 会員として同じ車を繰り返し借りている | 通達が定める、会員制で特定の借受人に貸す形のレンタカー |
長期レンタルでもわナンバーのままの理由
長期レンタルの車がわナンバーのままなのは、借りる期間が長くても車の使用者が貸渡人のままだからです。国土交通省の通達は題名が「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」となっており、レンタカーは貸す側が使用者として車を管理し、借りる人に渡す仕組みです。一方、道路運送法第80条第1項のただし書は「その借受人が当該自家用自動車の使用者である場合は、この限りでない」と定めています。借りる人がその車の使用者になる貸し方は同項の許可の対象外で、許可に係る車の区分であるわ・れの平仮名にも当たりません。ずっと同じ車に乗る点は似ていても、誰が使用者かによってナンバーの区分が分かれるわけです。長く乗る予定で車を借りるときは、契約書と自動車検査証で使用者が誰になっているかを確かめると、自分の立場がはっきりします。
長く借りる人と貸す側の役割分担
通達は、貸渡証に「貸渡期間が2日以上となる場合には、日常点検を借受人が実施することとなる」旨を書くよう定めています。何週間も借りる人は、日常点検を自分で行う立場になります。一方、道路運送車両法第48条第1項第2号は、許可を受けて有償で貸し渡す自家用自動車の定期点検を6か月ごととし、点検の義務は使用者にあります。乗用車の車検は、初回が2年で、その後は1年ごとです(同法第61条と施行規則第37条)。長期で貸す側は、点検や車検の時期に車をいったん戻してもらう段取りを契約の段階で決めておく必要があります。
| 役割 | 長く借りる人(借受人) | 貸す側(貸渡人) |
|---|---|---|
| 日常点検 | 貸渡期間が2日以上なら実施 | 貸渡証にその旨を記載 |
| 定期点検(6か月ごと) | 点検の時期に車を戻す | 使用者として実施 |
| 車検(乗用車は1年、初回2年) | 車検の時期に車を戻す | 使用者として受検 |
| 貸渡証 | 運転者が運行中に携帯 | 書面かメールなどで交付 |
車検の期間はわナンバーの車検期間の記事、法令上の区分はわナンバーは自家用?事業用?の記事で詳しく扱っています。
修理や車検で入庫している間にわナンバーを借りるケース
自分の車を整備工場や鈑金工場に預けている間、工場から借りた車がわナンバーだったという例は、有償で貸すための正規の形です。道路運送法第80条第1項は、自家用自動車を業として有償で貸し渡すには許可が必要としているため、工場が料金を受け取って貸すなら、その車は許可に係るわナンバーで登録されている必要があります。わにゃふるカービジネスは、この使い方に特化したフランチャイズです。整備工場、鈑金工場、中古車販売店が株式会社バンクレンタカーのフランチャイズに加盟して「バンクレンタカー カーネット(地域名)営業所」になり、事故修理、故障修理、車検で入庫したお客様にだけわナンバー車を貸し出します。保険修理のお客様の多くは自動車保険にレンタカー特約を付けているため、特約を使えばお客様の負担は増えません。事故修理が長引けば、そのお客様は修理が終わるまで同じわナンバーに乗り続けることになります。
この形は貸す相手が自社の入庫客に限られ、修理が終われば必ず車を引き取りに来るため、返却のトラブルが起きにくいのが特徴です。一般の方へ広く貸すレンタカーとは違い、看板を掲げて不特定多数に貸すことはしません。仕組みの全体はわにゃふるカービジネスの説明ページ、向いている業種は対象業種で確認できます。
カーシェアで同じわナンバーに乗り続けるケース
会員制のカーシェアリングで、同じ車を何度も借りている人も「ずっとわナンバーに乗っている人」に見えます。国土交通省の通達は、レンタカー型カーシェアリングを「道路運送法第80条第1項の許可を受け、会員制により特定の借受人に対して、自家用自動車を業として貸渡すこと」と定めています。許可に係る自家用自動車なので、ナンバーの平仮名は通常のレンタカーと同じ区分です。通達は、レンタカー型カーシェアリングを始めるときはあらかじめ配置事務所の所在地を運輸支局長に届け出ることとし、ITなどで貸渡し状況や整備状況を的確に把握できると認められるときは、配置事務所以外の本社などでの管理も認めています。対面で貸渡証を受け取る通常のレンタカーと違い、レンタカー型カーシェアリングは貸渡証の交付の対象から外れています。
会員が自宅近くのステーションで毎日のように同じ車を使うと、周囲からは自家用車のように見えます。ナンバーの区分を決めるのは使われ方の見た目より、許可に係る車かどうかです。
わナンバーと警察の関係で公的資料から言えること
わナンバーと警察の関係について、公的資料で確認できるのは貸渡証と貸渡簿の決まりです。国土交通省の通達は、レンタカー型カーシェアリングを除き、借受人に貸渡証を交付し、運転者に携行させるよう求めています。貸渡証には「運行中必ず携帯し、警察官又は地方運輸局若しくは運輸支局の職員の請求があったときは、呈示しなければならない」旨を書くことになっています。貸渡証の記載事項は、借受人と運転者の氏名や住所、運転免許証の番号、登録番号、貸渡日時、貸渡事務所と返還事務所、貸渡人の氏名などです。貸す側は同じ項目に走行キロ数や貸渡料金、事故に関する事項を加えた貸渡簿を備え、貸渡しの終了日から2年間保存します。つまり、わナンバーの車は誰がいつ借りて運転しているかを貸す側が記録している車です。
- 貸渡証は書面のほか、電子メールなどの電磁的方法で交付でき、携行も電磁的記録で認められている
- 通達は、貸渡し前に借受人の損害賠償責任や、違法駐車の場合の措置、返還遅れとなる場合の措置などの重要事項を明示するよう努めることを、運輸局が指導する事項として挙げている
- 貸渡人が道路運送法や道路運送車両法、許可の条件に違反したときは、貸渡自動車の使用の禁止や許可の取消しがありうると通達に書かれている
インターネット上には、わナンバーと警察の車両を結びつける話も見られます。公的な資料で裏付けを確認できなかったため、この記事では取り上げていません。
長期で貸し出す側が整えておくこと
わナンバーの車を長く貸し出す側は、許可の条件と車の管理を、短期の貸出よりも計画的に回す必要があります。通達は、貸渡自動車が配置事務所にあるかどうかにかかわらず、配置事務所の従業員などが貸渡し状況や整備状況を把握し、的確に管理するよう求めています。長期の貸出では車が手元にない期間が長くなるため、6か月ごとの定期点検と1年ごとの車検(乗用車、初回は2年)の時期を貸出の予定と重ねて管理しなければなりません。保険は、対人1人当たり8,000万円以上、対物1件当たり200万円以上、搭乗者1人当たり500万円以上が通達の基準です。毎年5月31日までに前年度の貸渡実績報告書を提出する義務もあり、貸出の記録はそのまま報告の材料になります。
わにゃふるカービジネスでは、貸し出す相手を自社の入庫客に限っているため、貸出の期間は修理や車検の日程から読めます。配備車両プランを選べば、税金、車検点検整備、任意保険、車両保険、消耗品、修理などを月額に含めて運用できます。費用は変わることがあるため、この記事には金額を載せていません。最新の料金は価格ページ、自社で許可を受ける場合の詳しい手順は姉妹サイトの解説で確認できます。準備の進め方はわナンバー導入の準備チェックリストも参考にしてください。
わナンバーを自社で始めるなら、わにゃふるカービジネス
修理や車検で入庫したお客様に、わナンバー車を有償で貸し出す仕組みを、許可を一から取らずに始められます。最短2か月程度で運用を始められます。お電話は 03-5256-7877(平日 9:00〜12:00、13:00〜18:00)でも受け付けています。
まとめ
わナンバーにずっと乗っている車は、公的資料の範囲では、長期レンタル、修理や車検の間の貸出、レンタカー型カーシェアリングのいずれかで説明できます。わナンバーは許可を受けて貸し渡す自家用自動車の印で、借りる期間が長くても使用者は貸渡人のままです。警察との関係で公的に確認できるのは、貸渡証を運行中に携帯し、警察官などの請求があれば呈示するという決まりです。それ以上のうわさ話は、公的な裏付けを確認できませんでした。
わナンバーに長く乗ることに関するよくある質問
- わナンバーの車を何か月も借り続けてもよいのですか?
- この記事で確認した道路運送法第80条と国土交通省のレンタカー通達には、貸渡期間の長さに上限を定めた記述はありません。貸渡期間は貸渡人と借受人の契約で決まります。通達は、貸渡期間が2日以上になる場合は日常点検を借受人が実施する旨を貸渡証に記載するよう定めています。
- 長く借りているなら、自分の名義のナンバーに変わりますか?
- 変わりません。レンタカーは貸渡人を自動車の使用者として行う貸渡しなので、借りている期間が長くても使用者は貸渡人のままです。わ・れの平仮名は、自動車登録規則別表第三で許可に係る自家用自動車に割り当てられた区分です。
- わナンバーに乗っていると警察に止められやすいのですか?
- そうした扱いを定めた公的な資料は見つかりませんでした。公的資料で確認できるのは、通達が貸渡証に「運行中必ず携帯し、警察官又は地方運輸局若しくは運輸支局の職員の請求があったときは、呈示しなければならない」旨を記載するよう求めていることです。
- カーシェアの車もわナンバーですか?
- 国土交通省の通達は、レンタカー型カーシェアリングを「道路運送法第80条第1項の許可を受け、会員制により特定の借受人に対して、自家用自動車を業として貸渡すこと」と定めています。許可に係る自家用自動車なので、平仮名の区分はわナンバーと同じです。会員が同じ車を繰り返し使うことはあります。
- 整備工場で修理中に借りた車がわナンバーでした。違法ではありませんか?
- 整備工場が第80条の許可を受けているか、許可を持つ事業者の営業所として貸している場合は、有償で貸すための正規の形です。わにゃふるカービジネスの加盟店は、許可を持つ株式会社バンクレンタカーの営業所としてわナンバー車を入庫客に貸し出します。
- わナンバーの車両や貸出の記録は、整備・販売の管理とまとめて扱えますか?
- 代車やわナンバー車の入庫・貸出の予定と、整備や販売の記録を別々に管理すると二重入力が増えます。自動車整備システム(自動車整備ソフト)や車両販売システム(車販ソフト)で顧客・車両・スケジュールを一元管理すると、貸出と入庫の段取りを1か所で確認できます。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるかも確かめてください。
参考にした一次情報
この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月5日確認)。
- 道路運送法(e-Gov法令検索)第80条:https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000183
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索)第48条、第61条:https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 自動車登録規則(e-Gov法令検索)第13条、別表第三:https://laws.e-gov.go.jp/law/345M50000800007
- 道路運送車両法施行規則(e-Gov法令検索)第37条:https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国土交通省 レンタカー事業:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000061.html
- 国土交通省 貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001485360.pdf
- 中部運輸局 レンタカー事業を経営する方へ:https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/rentacar/renta-tetsuduki.pdf
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