
鈑金工場がわナンバーを持つ理由は、保険修理で発生する代車費用を自社の売上として受け取れるようになるからです。国土交通省が令和7年3月4日に公表した「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」は、損害賠償での代車費用を「有償での貸与が可能な『わ』、『れ』ナンバーに限る」と書いています。自家用ナンバーの無料代車を何日貸しても、この費用は工場に入りません。この記事では、保険修理の入庫から代車費用が支払われるまでの流れを整理し、鈑金工場がわナンバーを始める前に決めておくことをまとめました。
この記事で確認した一次情報
- 車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針(国土交通省、令和7年3月4日)1.(1) 背景、3.(4) 見積書の価格項目、3.(5) 代車費用、3.(8) 協定が長引く場合
- 車体整備事業者による事故車修理の適切な価格交渉の促進のための施策(国土交通省 報道発表)指針の公表と情報提供窓口
- 道路運送法(e-Gov法令検索)第80条(有償貸渡し)
鈑金工場とわナンバーの相性が良い理由(保険修理の比率)
鈑金工場とわナンバーの相性が良いのは、入庫の多くが事故修理で、修理費を自動車保険で払うお客様が多いからです。わにゃふるカービジネスの対象業種の案内でも、事故修理(保険利用)の比率が高い鈑金・塗装工場は、レンタカー特約を付けたお客様が多いため最も相性が良い業種としています。特約を使えば代車の料金は保険会社に請求でき、お客様の負担は増えません。整備工場の故障修理では代車を無料で貸すのが習慣になっている場合が多いのに対し、事故修理には代車費用を払う仕組みがもともとあります。足りないのは、その費用を受け取れる「わ」ナンバーの車を自社で持っていないことだけ、という工場が少なくありません。
これまで事故修理の代車をレンタカー会社に手配していた工場では、代車の売上はレンタカー会社に入っていました。自社の代車を無料で貸していた工場では、車両代、任意保険、車検、消耗品が全部自社の負担です。わナンバーの車を自社で持つと、この2つのどちらも「自社の売上」に置き換わります。
| 事故修理の代車の出し方 | 代車の売上 | 工場の負担 |
|---|---|---|
| 自社の自家用車を無料で貸す | 0円 | 車両代、任意保険、車検、消耗品 |
| レンタカー会社に手配する | レンタカー会社の売上 | 手配の手間 |
| 自社のわナンバー車を貸す | 1日5,000〜20,000円程度×貸出日数 | 加盟料金とわナンバー準備料金 |
保険修理の入庫から代車費用の支払いまでの流れ(国の指針で確認)
保険修理の代車費用は、工場と損害保険会社が修理価格を協定し、お客様の承諾を得て保険会社が工場へ直接支払う、という事故車修理の慣例の中で扱われます。国土交通省の「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」(令和7年3月4日)は、この慣例を背景に書かれています。同じ指針の3.(5)は、代車費用を「有償での貸与が可能な『わ』、『れ』ナンバーに限る」としたうえで、保険金を払うかどうかは個々の保険契約の内容、過失割合、契約者の意向で判断されると書いています。そして、損害保険会社は代車を貸すことについてお客様の意思を確認するのが一般的なので、工場はその結果を踏まえて貸出を決めるよう求めています。無料の代車には、この流れに乗る費用がそもそもありません。
指針はほかにも、鈑金工場の代車の扱いに関わることを書いています。3.(4)は、見積書で修理作業のほか代車費用など付随する費用も価格項目として明らかにし、無料にする項目も欄を消さずに「0円」と書くよう求めています。3.(8)は、協定が長引いて代車費用が増えそうなときは、早めにお客様へ説明し、保険で払われる額は保険会社に問い合わせるよう伝えることとしています。流れを表にすると次のとおりです。
| 段階 | 鈑金工場がすること | 代車で確かめること |
|---|---|---|
| 1. 入庫と見積 | 損傷を確かめ、自社の考えで修理作業と見積を作る | 見積書に代車費用の欄を設ける |
| 2. 保険会社への連絡 | 損害保険会社と修理内容と価格を協定する | レンタカー特約(代車費用特約)の有無と、代車の手配を承認してもらえるか |
| 3. 代車の貸出 | お客様の意思確認の結果を踏まえて貸す | わナンバー車を貸渡証と一緒に渡す |
| 4. 修理中 | 修理内容や価格が変われば保険会社とお客様に伝える | 協定が長引くなら代車の日数を早めに説明する |
| 5. 納車と精算 | お客様の承諾を得て保険会社から修理費を受け取る | 代車の料金を請求する |
多くの保険会社の代車費用特約は、「わ」「れ」ナンバーで、保険会社が手配または承認したレンタカーを対象にしています。貸す前に保険会社へ連絡を入れておくと、精算で話がこじれにくくなります。支払いの可否と金額は保険契約の内容で決まるため、個々のケースは保険会社に確認してください。
保険会社とお客様へのわナンバー代車の伝え方
わナンバーの代車を始めた鈑金工場が最初にすることは、取引のある損害保険会社の担当者に、自社でわナンバーの代車を貸せるようになったと伝えることです。わにゃふるカービジネスの導入企業の声には、輸入車のわナンバーを配備していることを保険会社にPRし、保険修理の入庫が増えて整備の売上と利益も増えたという整備会社の例があります。会員専用サイトでは、どの車種を何台配備したか、保険会社へどうPRしたか、免責補償制度サービスをどう組み合わせたかといった、導入企業の進め方を読めます。お客様に対しては、受付の段階でレンタカー特約(代車費用特約)が付いているかを確かめるのが基本です。特約を付けていないお客様には、次の更新で特約を付けるよう案内する運用が一般的です。
- 保険会社の担当者へ:自社でわナンバーの代車を手配できること、配備している車種と台数
- お客様へ:特約の有無、代車の料金は特約から支払われること、貸渡証を車内に置くこと
- 社内で:受付で特約を確認する手順、代車の予定表、返却時の確認項目
代車の料金を保険で払ってもらえるかどうかは保険契約の内容で決まります。工場の側から「必ず保険で出ます」と言い切らず、保険会社に確認してもらう形で案内すると、後でお客様と食い違いが起きにくくなります。
保険修理の代車を有償にした事例(運用開始1か月で約13万円)
わにゃふるカービジネスの導入事例には、保険修理で無料にしていた代車をわナンバーで有償にし、運用開始から1か月で約13万円のレンタカー売上になった中古車販売店の例が載っています。保険修理の代車という点は鈑金工場と同じ流れです。これまで無料の代車やレンタカー会社への手配で売上が0円だった部分が、わナンバーにしたことで売上に変わった形です。貸出単価の目安は1日あたり5,000円から20,000円程度なので、約13万円は、1日5,000円なら延べ26日分、1日10,000円なら延べ13日分の貸出に当たる計算になります。事故修理の入庫が月に数台あり、1台あたり数日から1週間ほど代車を出している工場なら、自社の貸出日数と単価を掛けて同じ計算ができます。費用の側は、加盟料金(月額費用)が準備車両1〜10台未満で月10,000円(税別、キャンペーン価格)、自社の車をわナンバーにする場合の準備料金は月0円で、別にわナンバー用の任意保険がかかります。
自社の数字で試すときは、直近3か月の事故修理の件数と、そのとき代車を貸した日数を数えるところから始めてください。そのうち特約が使えた件数を分けておくと、売上になりそうな日数が見えてきます。業種ごとの事例は活用企業様の声と対象業種のページで読めます。
わナンバーを始める前に鈑金工場が決めること
鈑金工場がわナンバーを始める前に決めることは、使う車、台数、受付の手順の3つです。車は、いま代車として持っている自社の車をわナンバーにする方法と、配備車両を新しく用意する方法があります。自社の車ならわナンバー準備料金は月0円で、わナンバー用の任意保険への加入費用が別にかかります。配備車両は車種によって見積りになり、例としてダイハツ ムーヴは月36,850円(契約期間5年、税別)で、車両、税金、車検点検整備、任意保険、車両保険、消耗品、修理などが含まれます。台数は1台から始められ、実際に1台で始めて利用が増えてからわナンバーを追加登録した企業もあります。受付の手順は、特約の確認と保険会社への連絡を、見積の段階に組み込むのが続けやすい形です。
| 決めること | 選択肢 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 使う車 | 自社の車をわナンバーにする/配備車両を用意する | 今ある代車の車検時期と、維持費を月額で固めたいか |
| 台数 | 1台から | 直近3か月で同時に何台の代車が出ていたか |
| 受付の手順 | 見積の段階で特約を確認する | 受付担当が1人でも回るか |
| 加盟の条件 | 車庫登録ができる駐車場、創業3年以上、従業員2人以上、店舗 | 満たさない場合も相談で加盟できる場合がある |
わにゃふるカービジネスに加盟すると、株式会社バンクレンタカーの「バンクレンタカー カーネット(地域名)営業所」として、本部の許可で貸し出します。道路運送法第80条は自家用自動車を業として有償で貸すには許可が要ると定めていますが、加盟店が自社でこの許可を取る必要はありません。申込みから審査、車種選定の相談、契約を経て、最短2か月程度で運用を始められます。貸す相手は自社に入庫したお客様だけで、一般の方には貸しません。準備の項目を細かく確かめたい場合はわナンバー導入の準備チェックリストが使えます。
保険修理の代車を、自社のわナンバーで
鈑金工場向けに、保険修理の代車費用の流れと、わナンバーを始めるまでの手順を資料にまとめています。自社の車を使うか配備車両にするかも、お問い合わせの際にご相談ください。お電話(03-5256-7877、平日9:00〜12:00と13:00〜18:00)でもご相談いただけます。
よくある質問
- 無料の代車でも、保険会社に代車費用を請求できますか?
- 国土交通省の指針(令和7年3月4日)は、損害賠償での代車費用を「有償での貸与が可能な『わ』、『れ』ナンバーに限る」としています。自家用ナンバーの車を無料で貸している場合、この代車費用の対象にはなりません。
- 過失割合が0対100でないと、代車費用は払われないのですか?
- 指針の3.(5)は、0対100でなければ代車費用が支払われないと誤解している人がいるとしたうえで、約款上、事故との相当因果関係(車格、日額、期間)が認められる代車費用は過失割合に応じた支払いの対象とされているものが多いと書いています。個々の可否は保険会社に確認してください。
- レンタカー特約がないお客様にも、わナンバーの代車を貸せますか?
- 貸すこと自体はできますが、その場合の料金は保険から払われない場合があります。受付で特約の有無を確かめ、料金の扱いを先に説明してから貸すのが安全です。特約がないお客様には、次の更新で特約を付けるよう案内する運用が一般的です。
- 鈑金工場が自社でレンタカーの許可を取る必要はありますか?
- わにゃふるカービジネスでは、加盟店が「バンクレンタカー カーネット(地域名)営業所」として本部の許可で貸し出すため、自社で許可を取る必要はありません。自社で許可を取って始める場合との違いはレンタカーをフランチャイズで開業するか自力で始めるかで比べています。
- 何台から始められますか?
- 1台から始められます。1台で始め、利用が増えてからわナンバーを追加登録して稼働率を上げた企業もあります。
参考にした一次情報
- 国土交通省「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」(令和7年3月4日):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001867762.pdf
- 国土交通省 報道発表「車体整備事業者による事故車修理の適切な価格交渉の促進のための施策」:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000334.html
- 道路運送法 第80条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000183
わナンバーを自社で始めるなら
わにゃふるカービジネスは、整備工場・鈑金工場・中古車販売店がわナンバー車を配備し、入庫したお客様へ有償で貸し出すためのフランチャイズです。仕組み・費用・加盟条件をまとめた資料をお送りします。
お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00
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代車そのものの基本(レンタカーとの違い、代車特約、代車で事故が起きたときの扱い)は、姉妹サイトの「代車ビジネス」で解説しています。








