鈑金塗装工場の売上を増やす方法|工賃の外で代車とレッカーの収入を作る

鈑金塗装工場の売上を増やす方法|工賃の外で代車とレッカーの収入を作る

鈑金塗装工場の売上を増やす方法は、工賃単価を上げる交渉だけに頼らず、修理の前後で発生する代車とレッカーを別の売上として立てることです。修理価格は一般に「標準的な作業時間(指数)×工賃単価」で決まるため、工賃の部分は伸ばせる幅に限りがあります。一方、事故で車が動かなくなったお客様には、運ぶ仕事と、修理の間に乗る車を貸す仕事が付いてくることがよくあります。この記事では、鈑金塗装工場の売上の中身を分けて見たうえで、代車をわナンバーにして売上に変える方法と、レッカー、修理、貸出をひとつの流れにする考え方をまとめました。

鈑金塗装工場の売上の中身(工賃と部品と付帯の仕事)

鈑金塗装工場の売上は、修理そのものの工賃、交換する部品、そして修理に付いてくる仕事の3つに分けて考えると打ち手が見えます。国土交通省の報道発表(令和7年3月4日)は、事故車の修理価格は一般的に「標準的な作業時間(指数)」×「工賃単価」で決まると説明しています。作業時間は指数で決まり、単価は損害保険会社との協定で決まるため、工賃の部分を工場の努力だけで大きく伸ばすのは簡単ではありません。部品は仕入れ値に左右されます。残るのが付帯の仕事で、事故車を運ぶレッカー、修理の間にお客様が乗る代車、免責補償のような周辺のサービスがここに入ります。付帯の仕事は、多くの工場で「無料のサービス」か「外注」のどちらかになっていて、まだ売上として数えられていないことがよくあります。

売上の区分中身工場が動かせる幅
工賃指数(標準的な作業時間)×工賃単価単価の交渉と、指数で足りない作業時間の説明
部品交換部品、塗料、副資材仕入れ先と在庫の持ち方
付帯の仕事レッカー、代車、免責補償などのサービス無料や外注を、自社の売上に置き換えられる

鈑金塗装の利益率を上げたいときも、この3つを別々に見ると話が早くなります。工賃と部品は1件ごとの粗利で、付帯の仕事は入庫1件にいくつ売上を重ねられるかで考えます。

工賃単価を上げにくい理由と、国の価格交渉の指針

工賃単価を上げにくい理由について、国土交通省は令和7年3月4日に「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」を出し、工場が取り組むべき事項をまとめました。報道発表は、令和5年の公正取引委員会の特別調査で、自動車整備業が労務費の転嫁率が低い受注者の割合の最も高い業種だったと紹介しています。指針の3.(2)は、消費者物価指数だけでなく人件費、電気代、塗料や副資材の上昇率を考えて工賃単価を設定するよう求めています。同じ項は、車検や部品販売、車両の牽引、代車の貸渡しなどの事業も行っている場合に、それらの費用を全部「事故車修理の費用」として転嫁するのは適切でないとも書いています。この項は工賃単価を設定するときの留意点で、代車やレッカーの費用は工賃単価にまとめて乗せるのでなく、それぞれの仕事として切り分けて考えることになります。

指針の3.(4)は、見積書で代車費用などの付随する費用も価格項目として明らかにし、無料にする項目も欄を消さずに「0円」と書くよう求めています。無料の代車を出している工場では、見積書の代車の欄が毎回「0円」になる、ということです。工賃単価の交渉はこれからも続けるとして、0円の欄を売上の欄に変える手段を別に持っておくと、交渉の結果だけに売上が左右されにくくなります。国土交通省は、価格交渉で不合理な説明を受けた場合の情報提供窓口も令和6年7月から設けています。

代車をわナンバーにして売上に変える

代車を売上に変えるには、代車をわナンバー(有償で貸せる区分)の車にして、レンタカーとして貸し出します。わにゃふるカービジネスでは、加盟店が「バンクレンタカー カーネット(地域名)営業所」として本部の許可で貸し出すため、工場が自社でレンタカーの許可を取る必要はありません。貸出単価の目安は1日あたり5,000円から20,000円程度で、保険修理でレンタカー特約(代車費用特約)を使えるお客様なら、料金は保険会社に請求できます。費用は、加盟料金(初期費用)がキャンペーン価格で100,000円(通常200,000円、DREAM POWERユーザーは0円)、加盟料金(月額費用)が準備車両1〜10台未満で月10,000円(通常30,000円)です。いまの代車をそのままわナンバーにするなら準備料金は月0円で、わナンバー用の任意保険の加入費用が別にかかります。金額はいずれも税別です。

項目無料の代車わナンバーの代車
見積書の代車の欄0円1日5,000〜20,000円程度×日数
車の維持費車両代、任意保険、車検、消耗品を自社で負担自社の車なら準備料金0円(保険は別)、配備車両なら月額に含む
許可有償では貸さない本部の許可で貸す(自社での取得は不要)
貸す相手入庫したお客様入庫したお客様(一般の方には貸さない)

保険修理の代車を有償にした中古車販売店の事例では、運用開始1か月で約13万円のレンタカー売上になりました。1日5,000円の貸出なら、月に2日分で加盟料金(月額)の10,000円と同じ額になる計算です(わナンバー用の任意保険の費用は別)。保険修理の代車費用の流れは鈑金工場がわナンバーを持つ理由で詳しく説明しています。

レッカーと修理と貸出をひとつの流れにする

レッカーの仕事がある鈑金塗装工場は、事故で車が動かなくなったお客様と最初に会う立場にいます。わにゃふるカービジネスの対象業種の案内では、レッカー業務がある事業者について、その場で代わりの車を有償で出せれば、レッカー、修理、貸出の3つで売上を組み立てられると説明しています。事故の現場から車を運び、そのまま自社で修理を引き受け、修理の間はわナンバーの代車を貸す。お客様にとっては連絡先が1か所で済み、工場にとっては1件の事故から3つの売上が立ちます。レッカーで運んだ車をほかの工場に回し、代車もレンタカー会社に頼んでいた場合と比べると、同じ事故1件で手元に残る売上の数が変わります。

  1. レッカーで事故車を引き取る(ロードサービスの手配を含む)
  2. 入庫の時点で、レンタカー特約の有無と保険会社を確かめる
  3. 保険会社に連絡し、修理の協定と代車の手配を進める
  4. わナンバーの代車を貸渡証と一緒に渡す
  5. 修理を終え、代車の返却と納車を同じ日にまとめる

流れを社内で回すには、代車の空き状況をレッカーの担当者も見られるようにしておくことが要ります。代車の予定表が受付の手元にしかないと、現場で「代車はあります」と言えません。

入庫を増やす打ち手(保険会社へのPRと輸入車のわナンバー)

鈑金塗装工場の集客で効き目が大きいのは、修理を紹介してくれる損害保険会社に、自社の強みを具体的に伝えることです。わにゃふるカービジネスの導入企業の声には、輸入車のわナンバーを配備していることを保険会社にPRしたところ、保険修理の入庫が増え、整備の売上と利益も増えたという整備会社の例があります。輸入車のわナンバーを配備している工場は全国でも少数のため、他社との違いとして伝えやすい材料になります。同じ会社は、免責補償制度サービスを付けることでさらに利益が出ていると話しています。わナンバーの代車は、それ自体の売上に加えて、入庫を呼ぶ材料にもなるということです。

輸入車を配備する場合の考え方は輸入車の事故修理に輸入車のわナンバーにまとめました。国産の軽自動車1台から始めて、入庫の状況を見てから車種を足していく進め方もできます。

独立したばかりの鈑金塗装工場が最初に決めること

板金塗装で独立したばかりの工場は、売上を工賃だけで立てるのか、最初から代車やレッカーも売上に数えるのかを早めに決めておくと、後から仕組みを変える手間が減ります。開業直後は代車を持っていない工場も多く、事故修理の依頼を受けたときにレンタカー会社へ手配すると、その売上は外に出ていきます。わにゃふるカービジネスの加盟条件は、車庫登録ができる駐車場、創業3年(36か月)以上、従業員2人以上、店舗があることの4つです。独立して3年に満たない工場は条件に届きませんが、満たさない場合でも相談で加盟できる場合があると案内しています。加盟できるかどうかは、申込み後の審査で決まります。

  • 代車を自社で持つか、配備車両で用意するか
  • 見積書に代車費用とレッカー費用の欄を設けるか
  • 取引する損害保険会社に、自社の代車の体制をどう伝えるか

開業の手続きそのものはこの記事では扱いません。わナンバーの代車を始める準備はわナンバー導入の準備チェックリストで確かめられます。

代車とレッカーを、鈑金塗装工場の売上に

鈑金塗装工場向けに、わナンバーの代車で売上を作る仕組みと費用、始めるまでの流れを資料にまとめています。レッカーとの組み合わせ方もご相談ください。お電話(03-5256-7877、平日9:00〜12:00と13:00〜18:00)でも受け付けています。

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よくある質問

鈑金塗装工場の工賃は、どうやって決まっていますか?
国土交通省の報道発表(令和7年3月4日)は、事故車の修理価格は一般的に「標準的な作業時間(指数)」×「工賃単価」で決まると説明しています。同じ発表は、価格の算定に広く使われている「自研指数」について、用いるか否かも含めて契約の当事者に委ねられているとしています。
代車の費用を工賃単価に上乗せして回収してはいけないのですか?
国土交通省の指針の3.(2)は、車両の牽引や代車の貸渡しなどの事業も行っている場合に、それらの費用を全部「事故車修理の費用」として転嫁・請求するのは適切でないとしています。同じ指針の3.(4)は、見積書で代車費用を付随する費用の価格項目として明らかにするよう求めているので、代車は代車の項目として扱うのが分かりやすい形です。
代車を有料にすると、お客様の負担が増えませんか?
保険修理でレンタカー特約(代車費用特約)を使えるお客様なら、料金は保険会社に請求できるため、お客様の負担は増えません。支払いの可否は保険契約の内容で決まるので、受付で特約の有無を確かめてください。
レッカーの仕事がない工場でも始められますか?
始められます。対象業種の案内では、事故修理(保険利用)の入庫がある、故障修理の入庫がある、代車を持っているかリースしている、故障修理の代車を無料で貸している、レッカー業務がある、のいずれかに当てはまれば特に向いているとしています。
何か月で始められますか?
申込み、審査、結果報告(車種選定の相談)、契約を経て、最短2か月程度で運用を始められます。

参考にした一次情報

わナンバーを自社で始めるなら

わにゃふるカービジネスは、整備工場・鈑金工場・中古車販売店がわナンバー車を配備し、入庫したお客様へ有償で貸し出すためのフランチャイズです。仕組み・費用・加盟条件をまとめた資料をお送りします。

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代車そのものの基本(レンタカーとの違い、代車特約、代車で事故が起きたときの扱い)は、姉妹サイトの「代車ビジネス」で解説しています。

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